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パワハラの定義とは?種類・事例・対策まで大公開

パワハラの定義とは?種類・事例・対策まで大公開

パワハラについての報道を、昨今よく目にするようになりました。それはビジネスの世界に限らず、スポーツや教育の世界でも見られ、今や一つのトレンドともなっています。そんな注目度の高いパワハラですが、正直なところ、しっかり理解できていない方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、パワハラの定義や種類を改めて確認し、実際に起きたパワハラの事例を通して、企業が導入すべきパワハラ対策を紹介していきます。

パワハラの定義

パワハラとは、パワーハラスメントの略語です。ハラスメントとは英語で「いじめ」という意味で、パワハラ以外にもセクハラやマタハラなどの言葉があるので、ニュアンスもつかんでいただけると思います。では、パワーハラスメントのパワーはどのような意味でしょうか。このパワーは「力」ではなく「権力」を表しています。

パワーハラスメントという言葉は、実は和製英語です。2001年に東京のコンサルティング会社であるクオレ・シー・キューブが、「セクハラ以外にも様々なハラスメントがある」という見解のもとに調査と研究を重ねた結果、権力の強い人と弱い人の間のハラスメントを発見したことを起源とするとされています。この発見されたハラスメントに対して、代表取締役である岡田康子さんとそのスタッフがつけた和製英語がパワーハラスメントなのです。

つまり、パワーハラスメントをわかりやすく言うと、「権力者によるいじめ」もしくは「権力を利用したいじめ」となります。ここから分かるように、パワハラは権力の強い人と弱い人の間に起こるものです。たとえば、「上司と部下」「教師と生徒」「親と子供」「コーチと選手」などが挙げられます。

パワハラの相談件数が急増

では、このパワハラが注目を集めるようになったのは何故でしょうか?その理由の一つとして、ニュースによる報道がありますが、実は注目を集めている理由はそれ以外にもあります。

厚生労働省の地方支分部局である「都道府県労働局」に設置されている労働相談のコーナーでは、「いじめ、嫌がらせ」の相談が年々増加しており、2012年には相談内容の中で最も多いものとなりました。それ以降も相談件数は増加し続け、2016年には年間相談件数が7万件に達しています。また、2012年以降も「いじめ、嫌がらせ」による相談件数が6年連続でトップであり、このことからもパワハラが職場環境における最も重大な問題であることがわかります。

パワハラの相談件数が急増している

参考:厚生労働省「あかるい職場応援団」数字で見るパワハラ事情より

パワハラの6類型

このように、パワハラは企業がいま最も力を入れるべき問題であると言えます。では、このパワハラとは、具体的にどんな行為のことを言うのでしょうか。厚生労働省によると、パワハラに該当する行為は6種類に分けることができ、「パワハラの6類型」と呼ばれています。では、その6類型について1つずつ紹介していきます。

パワハラの6類型

身体的な攻撃

殴る、蹴る、叩くなど、身体に物理的な攻撃をするものを「身体的攻撃」型のパワハラと言います。実際のところ、殴る蹴るといったパワハラは少ないようですが、「首を掴まれた」「壁に押さえつけられた」「髪を引っ張られた」というようなケースが多数報告されており、これらも身体的攻撃とみなされます。

精神的な攻撃

侮辱や暴言など、精神を傷つけるものを「精神的攻撃」型のパワハラと言います。「バカ」や「死ね」といった言動はもちろんですが、「全体会議で恥をかかされた」「給料泥棒と言われた」などの名誉を傷つける言動も精神的攻撃に該当します。

人間関係からの切り離し

職場で無視される、仲間外れにされるといったものを「人間関係からの切り離し」型のパワハラと言います。具体的なケースで言うと「オフィスで自分の席だけ遠くに置かれている」「自分にだけ会議の資料が配られない」「職員全員が呼ばれるイベントに自分だけ呼ばれない」などがあるようです。

過大な要求

絶対に遂行不可能な無理難題を押し付けられるといったものを「過大な要求」型のパワハラと言います。「定時には絶対終わらない量の仕事を、その日中に終わらせるように言われた」「情報共有や引き継ぎなしに業務をするように言われ、残業続きになっている。」というようなケースがこれに当たります。

過小な要求

本来の業務とは関係のなく、能力や経験に比べて著しく程度の低い仕事ばかり命じられることを「過小な要求」型のパワハラと言います。「営業職なのにオフィスの掃除ばかりさせられる」といったものはもちろんのこと、「仕事が全く与えられない」といったものも過小な要求型パワハラに該当します。

個の侵害

職務における管理の立場を利用して、業務と関係のない個人情報や、私生活の過ごし方を聞くといった行為を「個の侵害」型のパワハラと言います。「携帯を勝手に見られた」「有給休暇の申請時に過ごし方を執拗に聞かれ、答えなかったところ申請を却下された」といったケースがあります。

パワハラが原因で裁判にまで至った事例

このようにパワハラにはさまざまな種類があります。では、パワハラが行われた場合、どのような事態になるのでしょうか。実際にパワハラが原因で裁判となった例をご紹介します。

サントリーホールディングスほか事件(東京地判平成26年7月31日)

上司であるAが入社9年前後の社員Bに対して、「新入生以下だ。もう任せられない。」「なんでわからない。お前は馬鹿だ。」というような発言をしたことが、不法行為として事案の争点となりました。社員Bには、「上司に再三指示されていた業務を遂行していなかった。」「担当していた資料作成の業務を未完のまま有給休暇に入り、他部署から改善を求められていた。」「自身の業務をメンバーに丸投げしていた。」などの問題行動があったようです。ですが、裁判所の判断では、『「新入社員以下だ。もう任せられない。」というような発言はBに対する侮辱を与え、心理的負担を過度に加える行為であり、「なんでわからない。お前は馬鹿だ。」というような発言は、Bの名誉感情をいたずらに害する」行為である。』として、上司の不法行為責任及び会社の使用者責任(民法715条1項)を認めました。この時の賠償金額は合計で297万円でした。

この例は、6類型の中の「精神的攻撃」型のパワハラに該当する例です。

パワハラの対策と予防

これまで、パワハラの定義から種類、実際の判例を見てきました。では、このようなパワハラに対応するためには、また、起きないように予防するためにはどうしたらいいのでしょうか?そこで、パワハラへの対応と予防となる施策をご紹介します。

パワハラを相談できる窓口を設置する

企業がまず取り組むべきものとして挙げるのが、相談窓口の設置です。厚生労働省の調査では、全体のうちの約73パーセントが相談窓口を社内もしくは社外に設置しています。ですが、これを99名以下の企業に限ると、相談窓口の設置率は約47%まで下がります。もし、まだ設置していないのだとしたら、相談窓口の設置がパワハラ対策の第一歩となります。

設置方法

企業の外部に設置する場合は窓口の代行企業やコンサル企業に相談するのも有効な手立てです。

企業の内部に相談窓口を設置する場合には、以下のような方法が主流とされています。

  • 従業員か役員を窓口担当に任命する
  • 人事の労務部門に相談窓口の仕事を一任する
  • 産業医、カウンセラーを雇い社内に診療機関を設置する
  • 企業別の労働組合に相談窓口を設置する

パワハラに関するアンケート調査をする

相談窓口を設置することで、パワハラに対応することはできますが、それだけでは根本的な解決になりません。また、相談窓口に来たときには、すでに深刻な事態となっているケースが多いので、早期に対応をしていく仕組みが必要となります。そこで必要なのがアンケート調査です。

アンケート内容

アンケート調査で聞く内容としては以下のものが主流とされています。

  • パワハラについての知識を持っているか
  • 社内でパワハラを受けた、見たか
  • 仕事の中でパワハラ行為をしているか
  • 社内環境への満足度と不満な点
  • 仕事に関する不満や心配事を相談できる人は社内にいるか
  • 相談窓口の存在を知っているか
  • 相談窓口を利用することに抵抗はあるか

アンケートをするにあたっての工夫

アンケート調査において最も大切なのは、「答えてもらう」ことです。当然のことですが、答えてもらわないことにはまったく意味がありません。ですから、なるべく答えやすい手法を選ぶ必要があります。例えば、web上でアンケートを実施することで、文字の癖から匿名性が脅かされることはなくなります。また、アンケートを答えてもらうこと自体にも意味があり、アンケートを答えることでパワハラへの意識が高まり、アンケートの中に「パワハラ行為をしているか?」という設問を設けることで、自省を促すことができます。アンケートで意識が高まった結果、「窓口に相談してみよう」と思うケースがよくあるので、アンケートと同時に窓口の紹介をすることも、早期対応に向けた有効な手立てとなります。

パワハラに関する研修を行う

パワハラの対策において、最も重要なのは予防です。厚生労働省の調査によると、パワハラの予防・解決に向けた取り組みをしている企業は、全体の約52%、99名以下の企業においては約26%であり、先に紹介した窓口の設置率と比べると割合が大きく落ちます。窓口による対応や、アンケートによる調査や早期の対応も重要ですが、そもそもパワハラがない環境を作れなければ、根本的な解決にはなりません。そして、パワハラの主な予防方法として挙げられるのが、研修です。研修を通して、パワハラに関する正しい知識を身に着け、企業の認識や方針、就業の規則を共有することで、パワハラへの予防に効果を発揮します。

研修の実施方法

研修を実施する方法には、窓口相談と同様に、外部の機関を利用するか社内のリソースを使って行うかの2パターンがあります。 外部の機関を使う場合には、コンサル企業や研修を行っている企業、講師を紹介してくれる企業に相談します。内部で行う場合には、ハラスメントに関する業務を担当している部署や従業員に研修の講師を依頼します。また、就業規則や企業の方針を明確にしておくことも重要ですので、役員との連携も必要となります。

まとめ

パワハラへの対応として窓口を設置する企業は段々と増え、今では75%の企業がすでに設置をしています。ですが、それに比べてパワハラの予防に取り組んでいる企業はまだまだ少なく、検討段階にいるようです。成果を出す組織であるためには、心理的安全性が必要だと言われていますが、パワハラのある労働環境はその真逆の状態ともいえるでしょう。ですから、今後はパワハラをいかになくしていくか、が重要な鍵となってきます。パワハラ予防への第一歩として、この記事を通してパワハラの基礎知識をお届けできたら幸いです。

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